関節リウマチとは、本来は体を守るために働く免疫系に異常が起こり、正常な細胞などを攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。関節の滑膜(かつまく)などに炎症が生じ、こわばり、痛み、腫れなどの症状が現われます。
主に手足の関節で起こり、進行すると関節の骨や軟骨が破壊され、変形による機能障害をきたすようになります。
免疫系に異常が起こると、関節の毛細血管が増加し血管内から関節の滑膜組織に白血球(リンパ球やマクロファージなど)が出現します。これらが産生するサイトカイン(TNFα、IL-6など)と呼ばれる物質の作用により、関節内に炎症反応が起こり、滑膜細胞が増殖して、痛みや腫れが起こります(関節炎)。
さらに関節液が増加していくと、破骨細胞(はこつさいぼう:古い骨を吸収する細胞)も増殖して過剰に活性するため、軟骨や骨の破壊が進んでいきます。
日本での関節リウマチの患者数は約70万~90万人と推計されています。男性よりも女性に多い傾向があり、好発年齢は40~60代とされていますが、近年は診断技術の向上などにより、男性で早期に発見されるケースも増えています。また、高齢で発症するケースも増加しています。
関節リウマチは、以前は完治の難しい疾患でしたが、新しい薬や治療法の登場により、その治療は劇的に進歩しています。早期の診断と抗リウマチ薬を中心とした適切な治療によって、疾患の活動性をしっかり抑えることが可能となり、その結果、関節の炎症がほとんどない状態(寛解)をめざせるようになっています。関節に気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。